所在地
小城市小城町861 電話0120-35-8057(村岡総本舗)
遺産にまつわる物語
江戸時代、長崎街道は砂糖文化を広め、小城は羊羹の名産地となった。村岡総本舗は、明治32年(1899)の創業で、羊羹資料館の前身である砂糖蔵は陸軍御用による羊羹需要の増大を背景として昭和16年(1941)に建築された。富国強兵時代の携行食、保存食の代表が羊羹とキャラメルであった。昭和18年(1943)に海軍工廠の軍需工場となり増築され、1階が砂糖蔵、2階が資材倉庫となった。煉瓦造りの高床式の構造は、防火・防湿に工夫されており、砂糖が貴重であったことを物語る。
特徴
羊羹資料館は、木造寄棟屋根の和風建築であるが、ファサード(正面)は煉瓦とタイルによる洋風の意匠となっており、その特徴的な外観は広く親しまれている。また、昭和35年(1960)に建てられた本店は、当時としては珍しい有田焼の磁器のタイルが使用されている。羊羹資料館と本店との間の通路部分も含めて一体的にデザインされている。
保存や活用の取組
砂糖蔵を改装した羊羹資料館では、1階で、羊羹の歴史や製造過程を紹介するビデオを放映、2階では羊羹づくりの道具や小城羊羹の歴史を紹介したパネル等が展示されている。また、ウォークラリーのチェックポイントとして活用されている。羊羹資料館は、平成9年に国の登録有形文化財に登録された。2020年には「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」が日本遺産に認定され、その構成要素のひとつとなっている。